2020/11/05 10:27

以前、超大型犬の介護のお手伝いをした時のお話です。

このワンちゃんはニューファンドランド犬のオス、当時12歳。

体重は60kg、胸囲は101㎝。

名前はラー君と言います。

とても優しくフレンドリーな性格なので、誰でもすぐに仲良くなれるのです。

老犬介護スーツの製作を依頼された


このころのラー君は後ろ足が徐々に弱ってきていました。
立ち上がりと庭での排泄は出来ていたのですが、お散歩に行くには飼い主のAさんが不安だと言うのです。
なぜなら、途中でラー君がヘタってしまうと帰れなくなるからだそうで… なるほど重くて抱っこも出来ないからだ、と思いました。
超大型犬の介護ハーネスはなかなか売っていないので、kenkenはこの体重に耐える程の丈夫な「老犬介護スーツ」をお作りしました。

ハーネスは超大型犬でも基本は同じ


基本的な形は変えずに、裏にカバン用の丈夫で柔らかい芯地を貼り、持ち手の下には補助的なPPベルトを縫い付けました。
そして、素早く着せられる様にエプロン式の胸ベルトは「胸当てベルト式」に変えました。
この後、このハーネスを着て近場でのお散歩は楽しめたそうです。

なかなか売ってないエルボーガード

大きな犬ほど肘にタコができ易いです。
ラー君は肘のタコが悪化して傷になり出血して痛そうでした。
肘の傷を保護するためのエルボーガードと言うのがあります。
なかなか売ってないのですが、今調べたら1つだけ見つけましたよ、大きいのを!
胴体部分がとても短い長袖Tシャツのような形で腕と背中の上部を覆っています。
肘の小さな傷をカバーする為にこれは大げさな…と思いますが脱げたりズレたりしないようにこの形なんだと思います。
床ずれもそうですが、たとえ患部を剃ってテープで貼っても関節部分はやがて剥がれてきます。
飼い主のAさんは、長袖Tシャツを改造したエルボーガードを着せていました。※写真1枚目と2枚目。
傷の保護や涼しさの点で〇だと思います。

超大型犬のオムツカバー


老犬介護スーツをお作りして約1年後、ラー君は立つのが難しくなっていました。
また、Aさんはお仕事をされていましたから、留守の時間のみシッターさんに来てもらっていました。
しかし、都合上どうしても3時間ほどラー君が1人になってしまうのです。
その間にラー君がたくさんオシッコをして、それが敷き詰めたオシッコ吸収シートに広がり体を冷やしてしまう、と言うことが数回ありました。
心配したAさんはオムツカバーの製作をkenkenに依頼してきました。
犬のオムツカバーを製作したことが一度も無かったのですが、作ってみたい…と言う気持ちがあったので、Aさんに協力してもらいながら挑戦することにしました。
完成図はこんな感じ↓

大量のオシッコを受け止めるための「フンドシ型オムツカバー」です。
1人でお留守番の時に、このカバーの中に人間用のオシッコ吸収シートを入れて使います。
Aさんが使ってみて「オシッコが外に漏れなくて、着脱も簡単!あと2枚作って下さいますか?」との嬉しい報告。
材料は不要なTシャツとトレーナー。その他、マジックテープは百均で手に入ります。
簡単で安上がりなので、縫いもの好きの方は是非お試しを!
但し、濡れたオムツの付けっ放しはカブレの原因になりますので、2~3時間が限度にしましょう。
オムツカバーの作り方の詳細は→https://rouken.hatenablog.com/entry/2020/10/19/132554

大きな犬ほど工夫しよう、人や物に頼ろう


愛犬が大ききければ大きい程、販売しているgoodsは少ないと思います。
大きい犬を飼う方はそれなりの予定や覚悟をしておられると思いますが、要介護になる前から介護goodsやお手伝いの人の目途を付けておくことが大切なのだ、と今回は実感させられました。
それと同時に大切なのは愛犬を社交的に育てること。
ラー君の場合、「ありがたいことに人々がラー君のところに集まって来てくれる」とAさん。
そのうちの1人が私(kenken)なのでした。