2019/11/11 23:03

盲目のワンコ・ハナちゃんのための「老犬介護スーツ」



私が「老犬介護ハーネス」を作るためモデル犬をさがしていた時、友人を介してハナちゃんの飼い主・Nさんと知り合いになりました。
ハナちゃんは15歳のラブラドールレトリバーの女の子です。
要介護度は、立ち上がりに一苦労なのですが、立てればゆっくり歩ける状態でした。
しかし一番致命的なのが、ハナちゃんは目が見えないということでした。白内障に緑内障を併発して突然見えなくなってしまったんだそうです。だからハナちゃんは筋力低下の上、突然の失明で前に進むのがどんなに恐かったことでしょう。飼い主のNさんも「どうにかしてあげたい」気持ちでいっぱいだったと思います。
介護ハーネスを作るため、お宅に伺って採寸し、Nさんと相談しながら試行錯誤した結果、ようやくハナちゃんの体に合ったものが出来上がりました。
その時の経験が基になり、もっと改良を加えて今の「老犬介護スーツ」の形が決まったのです。
その後Nさんとハナちゃんは最期まで「老犬介護スーツ」を愛用してくださり本当に作って良かったと思いました。

「老犬介護スーツ」とは






前々回と前回でご紹介の「老犬介護ベスト」と「老犬介護パンツ」をジョイントさせた全身用の介護ハーネスが「老犬介護スーツ」です。
ジョイント部分はバックルと平ゴムで出来ているので緩くパンツのずり落ちを防ぎ、どんな姿勢になっても自然に正しい位置に戻してくれます。
また、ベスト・パンツのどちらかが汚れても片方ずつ洗えるので洗濯が楽です。
「老犬介護スーツ」は犬の体にフィットさせるため、オーダーメイドの注文を承っております。



「老犬介護スーツ」はどんな犬に使うの?

今回ご紹介の「老犬介護スーツ」は全身的に筋力が弱っているワンちゃんに適していてます。
介護が初期段階のワンちゃんから、立てない・歩けないのワンちゃんにもお役に立ちます。
※必要に応じて片方のみをご使用になれますが、パンツのみ使用の場合はサスペンダーのご使用をお勧めします。



背の低いワンちゃん用の持ち手延長ベルトを使うと飼い主さんが腰を曲げなくてすみます。
※Sサイズのみに延長ベルトを付けるDカンが付いています。


「老犬介護スーツ」の使い方


・立ち上がり介助
 前後の両方の持ち手を持って引き上げる。

・移動・歩行介助
 前の持ち手は上半身の補助や進む方向を直す役割、後ろの持ち手は足腰の補助という具合に必要に応じて片方、又は両方の持ち手を使う。

・排泄の介助
 排便の際、後ろ足でふんばるので後ろの持ち手を丁度の高さで持ち上げる。 
 ※パンツは汚れない作りになっています。

・体全体の筋力が弱っていて全く立てないけれど、本犬が歩きたがっている場合
 前後の持ち手を左右の手で持って歩かせる。この場合、飼い主さんが横歩きになってしまうので、それを避けたいならばこんな方法もあります。
 ◆2人掛かりで歩かせる方法
 2人が犬の左右に立ち、1人は前の持ち手、もう1人は後ろの持ち手を持って歩かせる。
 互い違いに支えるので安定します。我が家の立ち上がれない大型老犬はこの方法でお散歩できて、
 とてもうれしそうでした。




犬は本能として、歩くことをあきらめない


介護ハーネスを着せてまでお散歩~?何もそこまでしなくても…と思われるかも知れませんが、犬にとって「立てること」「歩けること」はとても大切なことです。
逆に愛犬の筋力が衰えて寝たきり・オムツ生活だったらどうでしょう。犬も人も生活スタイルに大きな影響が出てしまいますよね。
外の景色を見てにおいを嗅いで、できるなら少し歩いたりウンチしたり…、そんな当たり前の生活が少しでも長く送れるように「老犬介護スーツ」がお手伝いいたします。